自動車メーカーの期間従業員とは「メーカー直接雇用の契約社員(有期雇用)」を指し、期間工や期間社員、臨時従業員、季節工と呼ばれることもあります。
近年では期間工からメーカー社員へキャリアアップし、末永く勤務できる制度も充実していることをご存知でしょうか?
この記事では、キヤノンで期間工として働くことをご検討中の方に向け、職場の詳しい情報や働き方についてご紹介します。「自動車業界以外のメーカーで期間工として働きたい」「キヤノン製品に関心があり、製造にかかわってみたい」とお考えの方は、ぜひご参考にしてください。
ここでは、キヤノンの企業詳細や期間工として勤務する場合のおもな特徴について、詳しくご紹介します。
キヤノンはみなさんも良くご存じのカメラやプリンターなどのほか、医療機器や映画制作に関する機器などの生産・販売も幅広くおこなっているメーカーです。
1937年に設立され、2017年末現在の連結子会社数は376社と、長い歴史を誇る世界的な大規模光学機器メーカーとしてグローバルな展開をおこなっています。
「期間工」という職種名は通称であり、雇用形態によって類別する「職業」とは異なります。期間を設けて契約を更新しながら勤めるという働き方には、「派遣社員」や「請負社員」という雇用形態もあります。そのため「期間工」という働き方は「派遣社員などと同じようなもの」という誤解が多くなりがちです。
しかし、キヤノンの期間工は派遣社員や請負社員とは異なり、雇用形態でいうと「契約社員」となります。派遣・請負会社との雇用関係になるのではなく、メーカーが直接雇用しますから、採用されれば「キヤノンの事業所の一社員」として働くことができます。
契約社員である期間工は、メーカーの直接雇用となるため派遣会社や請負会社に中間マージンを搾取されることもなく、メーカーから直接給与を支給してもらえます。また、派遣社員の場合は契約の更新を続けて長く働き続けても、最長3年で派遣期間は終了してしまいます。期間工も期間を設けて雇用契約を結ぶ点では共通していますが、法令上の上限は最長5年となっています。メーカーによっては最長3年を契約更新可能期間としている場合も多いのですが、いったん契約期間満了で離職しても6か月経てば再就職できる可能性が高くなります。
また派遣社員が勤務先で正社員になることはかなり例外的なケースでなければありませんが、期間工には正社員登用制度があるため勤務状況や本人の希望によっては正社員として働き続けることも可能です。
ここでは、キヤノン期間工の勤務地と実際にする作業の内容についてご紹介します。
キヤノンの期間工として働く工場がある場所は、以下のとおりとなっています。
【宇都宮事業所】
栃木県宇都宮市工業団地にあり、近隣に多くの工場がある地域となります。マイカー通勤が可能で、工場から1.5kmを超える場所から通勤する場合には交通費も支給されます。
【阿見事業所】
茨城県稲敷郡阿見町吉原にある工場です。宇都宮事業所と同様にマイカー通勤ができ、工場から1.5kmを超える場所からの通勤には交通費が支給されます。
宇都宮事業所、阿見事業所ともに、おもな作業内容は「半導体露光装置・液晶露光装置の製造」となります。作業の詳細ですが、以下のとおり配属先によって異なります。
【組立職場】
露光装置ユニット、または本体の組立・検査・調整・部品ピッキングとなります。クリーンルーム内での作業となります。
【加工職場】
部品加工装置段取り・オペレーティング・検査となります。こちらは組立職場とは異なり、非クリーンルーム内での作業となります。
基本的には、組立現場への配属が中心となります。ただし、金型加工やマシニングセンタなどの経験や資格によっては、加工職場に配属される場合があります。配属先の希望を出すことは可能ですが、希望どおりに配属されるとは限りません。
ここでは、キヤノンで期間工として働く方の勤務時間や休日についてご紹介します。
【2組2交替の場合】
7時30分~16時00分、15時45分~24時00分のいずれか
【3組3交替の場合】
8時00分~16時30分、16時15分~24時00分、23時45分~8時15分のいずれか
【4組2交替の場合】
8時00分~20時30分、20時20分~8時10分のいずれか
【4組3交替の場合】
8時00分~16時30分、16時15分~24時00分、23時45分~8時15分
勤務時間の希望は基本的にはできず、すべての配属シフトに対応できることが応募の条件となっています。深夜・早朝勤務を含む交替勤務が可能な方が歓迎されます。
【2組2交替の場合】
原則として土曜・日曜が休日となります。
【3組3交替の場合】
原則として土曜・日曜が休日となります。
【4組2交替の場合】
土日に限らずシフト制の休日となります。
【4組3交替の場合】
土日に限らずシフト制の休日となります。
上記のほか会社カレンダーに基づいて休暇が設定されており、年間休日は125日となっています。
残業は生産状況によって発生する場合としない場合がありますが、多い月の場合でも1か月あたり20時間程度となります。
現場と事前に相談のうえ、業務調整をおこなって対応することになります。
ここでは、キヤノンで期間工として働く場合の給与や待遇についてご紹介します。
キヤノンの期間工の給与は「時給1,300円」となります。これを月収に換算した場合、「22万円~27万円」となります。一般の企業でサラリーマンやアルバイトとして勤める場合の月収よりも多いか、同じくらいかというレベルの給与水準であることが分かりますね。夜勤や残業、休日出勤をした場合は、もちろんその分の手当が上乗せされます。
キヤノンで期間工として働く方のおもな手当は、以下のとおりとなります。
【超過勤務・深夜早朝勤務の割増分】
残業の場合30%、休日出勤の場合35%、深夜業務をおこなった場合35%の割増となります。
【交替勤務手当】
2組2交替:20,000円
3組3交替:30,000円
4組3交替:50,000円
4組2交替:40,000円
【 皆勤手当 】
30,000円
【夏季・年末休業補償】
20,000円
期間工に賞与はありませんが、多くのメーカーで一定期間勤務した場合に一時金が支給され、ボーナスの代わりになるような仕組みとなっています。キヤノンで期間工として働く場合の一時金は、以下のとおりとなっています。
【契約更新一時金】
6か月ごとに契約更新した場合:各50,000円 ※初回のみ5か月更新
【長期勤務一時金】
11か月満了時、1年11か月満了時、2年11か月満了時のそれぞれについて、出勤率が90%以上だった月の数に応じて支給されます。
90%以上の出勤月数が5回以下:0円
6回の場合:100,000円
7回の場合:120,000円
8回の場合:140,000円
9回の場合:160,000円
10回の場合:180,000円
11回の場合:200,000円
【通勤交通費】
自宅から工場まで1.5㎞以上の距離がある場合のみ、マイカー通勤が可能となります。支給される通勤交通費は、4輪車(自動車)の場合は12円/㎞、2輪車(バイク)の場合は6円/㎞ となります。
これらの給与・手当の合計を年収に換算した場合、その目安は320万円~350万円となります。
キヤノンで期間工として働く方には、正社員登用制度が用意されています。これは派遣や請負で働く場合にはまずない特典ですから、長く勤めてゆくゆくは正社員をめざしたい方には大きなメリットですね。
キヤノンの期間工が正社員に登用されるためには、正社員登用試験を受ける必要があります。正社員登用試験は年1回定期的に行われており、これまで3回実施されています。もちろん期間工が正社員に登用された実績も数は少ないですが、ありますのでぜひチャレンジしてみてください。
年齢や資格などによる明確な条件はありませんが、コミュニケーション能力を重視しての選考となります。
期間工としてさまざまなメーカーで働いた経験があれば、業務内容などでご自身が職場に合うかどうかあらかた見当がつくかもしれません。しかし、製造業の経験がない方が新たな挑戦の場として期間工の仕事を選ぶ場合もあるでしょう。
ここでは、キヤノンの期間工として働くことに向いている人や、キヤノンで期間工の仕事に就くことがおすすめの人についてご紹介します。
【1.正社員を目指せる】
キヤノンの期間工には、正社員登用制度がある点が大きなメリットです。正社員になることを視野に入れて期間工として働きたいなら、おすすめの職場といえるでしょう。
【2.メーカーの契約社員なので雇用が安定している】
また、期間工は派遣社員や請負社員と比較すると、メーカー直接雇用(契約社員)にあたる分だけ雇用も安定しています。勤務状況や態度に問題がない限り、何の予告もなくすぐに離職するように言われる事態になるといった可能性は低いでしょう。
【3.長く勤めると手当(一時金)が多く支給される】
また、給与の項目でご紹介したとおり「契約更新一時金」や「長期勤務一時金」などの手当制度が充実しています。契約更新をして長く働き続けるほど、手当が多くつくというメリットもあります。「期間工はボーナスが出ない」と敬遠する方も少なくありませんが、実態としてボーナスと同じくらいの一時金が支給されますので、お給料をしっかり貯めたい方には最適です。
【1.入社祝い金の支給がない】
一部メーカーでは採用が決まって就業すると「入社祝い金」が支給される場合があります。キヤノンの場合はこの入社祝い金の制度がありません。ただし、初回契約の際の時給がキヤノンよりも低いメーカーは数多くあります。初めからしっかりお給料がもらえますので、長く勤める予定なら入社祝い金にはこだわらないという選択もあるでしょう。
【2.満了慰労金がない】
契約満了時に支給される一時金として「満了慰労金」が良く知られていますが、キヤノンには満了慰労金の制度はありません。ただし、「契約更新一時金」や「長期勤務一時金」という形で、同様に一時金を支給する制度はあります。長く勤めて契約更新を繰り返せば繰り返すほど、支給される一時金は増えますので「長く勤めてしっかり稼ぎたい」という方にはおすすめの職場です。
【3.寮がない】
期間工として遠方から就業する方のために、単身寮を用意しているメーカーは数多くあります。しかし、キヤノンの期間工の場合は寮が用意されていません。遠方から就業する場合には、賃貸住宅などを借りて住む場所を確保する必要が出てきます。
【1.工場近くに自宅がある人】
ご自宅やご実家が勤務地の近くにあれば、ご家族と一緒に暮らしながらそのまま勤めることができます。たまたま近郊にお住まいの方なら最適な職場ですし、遠方の方でもご親族の家が近くにあるなど、住む場所の確保が容易であれば通いやすく働きやすい職場になるでしょう。
【2.20代~40代の男女】
キヤノンでは幅広い年齢層の方が、期間工として活躍しています。自動車メーカーなどの期間工の場合は、体力に自信がある人が優先される傾向があることもあります。しかし、キヤノンの場合は精密機器の組立や加工がおもな業務となるため、さほど体力に自信がない方や女性の方も活躍できる現場が用意されていますから、初めて期間工として働く方にもおすすめの職場です。
【3.金属加工経験がある人】
金属加工の経験がある方は、優先的に配属されやすい職場があります。経験をお持ちであれば、ぜひキヤノンの期間工に積極的にチャレンジしてみてください。
応募は当サイト「期間工.jp」の応募フォームから、または記載の電話番号まで電話にておこなってください。その後、担当者から電話をしますので面接日時の予約となります。次に一次選考を経て、企業側での選考を実施します。企業選考で無事採用が決まったら、いよいよ就労開始となります。
この記事では、キヤノンの期間工として勤務する際のさまざまな条件、給与や働くメリットなど知りたい情報を、詳しくご紹介しました。
ご自宅の近くにこのような職場があったことを、ご存じなかった方もいるでしょう。製造業とはいっても「体力勝負」「危ないものを扱う」という従来のイメージは薄く、女性の方や40歳以上の方も多く活躍している現場です。空調が効いたきれいな職場で毎日作業に当たれますから、大手メーカーならではの働きやすさを実感しながらお仕事を続けられるでしょう。
参考URL:
Canon(キヤノン)/茨城の期間工・期間従業員募集|期間工.jp
https://kikankou.jp/canon-ibaraki
Canon(キヤノン)/栃木の期間工・期間従業員募集|期間工.jp
https://kikankou.jp/canon-tochigi
事業所一覧 | キヤノングローバル
https://global.canon/ja/corporate/information/location.html
期間工 – Wikipedi
https://ja.wikipedia.org/wiki/期間工