期間工として働こうと思っても、自動車製造などのメーカーでの就業経験がないときびしいというイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。実は、現在就業中の方の半数以上が未経験からのスタートであり、他業種から転職された方も数多くいらっしゃいます。作業習熟期間（1人で仕事を任せてもらえるまで）は約1ヵ月が目安とされており、職場の環境や人間関係などを含め、仕事に慣れるのは2～3ヵ月程度の方が多いようです。

期間工として働くにあたり資格は特に必要ではありません。ただ、資材の運搬など、ごく一部の工程（フォークリフトや玉掛け、クレーンなどの操作）では、資格を持つ方が優遇される場合もありますが、自動車製造のほとんどの工程（組立やエンジンの製造など）では、資格がなくとも働くことができます。

期間工として現場に配属される前に、各メーカーによる研修があります。研修は、座学研修と現場研修に分かれています。
まずは座学で工場のロッカーや食堂、休憩室といった施設の利用方法の説明を受け、その後、福利厚生、安全衛生、工場内ルールに関して学びます。

次に、自分が配属される工程の作業の実技訓練を行います。実際に使用する工具で実習を行うことにより作業をイメージでき、技能をしっかり身に付けることができます。また、研修を受けることで実際の作業に就く前に作業環境に慣れ、安全に作業することができるのです。
メーカーによって異なりますが、最大2日半程度の研修が行われます。ベテランの指導員が、電動ドライバーなどの工具の持ち方から、部品一つひとつの扱い方など細かいところまで丁寧な指導を行います。そのほかにも配線やコネクタの結合方法など、指導内容は多岐にわたります。

次に、配属先で約2週間～1ヵ月程度教育係がサポートしてくれるので、その間に作業を習得します。教育係は、まず作業をやって見せてくれるので、それをお手本に同じ作業をします。入社したばかりの方が手掛けた製品に関しては、必ず教育係が製品チェックし、指導してくれます。作業がうまくできない場合は、できるようになるまでしっかりと指導してくれます。
配属後は、おもにチームのリーダーとその上司となるグループの長が中心となって指導にあたりますので、研修後もしっかりとOJTで仕事を学べる体制が整っています。

期間工の職場では、チームのリーダーやグループの長はもちろん、彼らの上司である工長も毎日の声掛けを行ってくれますし、メーカーによっては工場、工程ごとに人事相談員という現場経験豊富なベテラン社員もいるので、作業だけではなく、「仕事や生活に慣れないけど、どうしたらいいんだろう」といった相談をすることも可能です。
期間工の職場には手厚いサポートがあり、初心者でも安心して働き始められる環境が整っています。充実した指導のもと、大きく成長することができるお仕事です。